大樹町は町の西に位置する日高山脈を源とした歴舟川が、東の太平洋に注ぐ自然豊かな町。春先、歴舟川には多くのカヌイストが訪れ川下りを楽しむ他、町の奥座敷 晩成温泉では雄大な景色の中で全国的にも珍しい泉質の温泉に浸かることができるなど、一年を通して豊かな自然の恵みを味わうことができます。
酪農のまち・大樹町
かつて依田勉三が牧畜業を営んだように、古くから酪農が盛んな町でした。
国内シェアの3分の2を占めるナチュラルチーズを生産する、酪農王国・十勝。その中でも大樹町は雪印が先駆け的に工場をつくり、大樹町近隣の生乳を元に乳製品の製造を行ってきました。
日高から歴舟川が運んできた栄養を豊富に含んだ土壌、太平洋から海風にのって運ばれるミネラルはおいしい牧草をつくる元となり、おいしい生乳が生まれるのです。また、大樹町が位置するのは北緯42度。北緯40度~43度はほどよく冷涼で発酵に適した土地と言われており、大小様々な規模のチーズ工房が存在します。
漁業が盛んな町のご当地グルメ
酪農だけではなく、大樹町は漁業も盛んな町。毛ガニ、つぶ、ほっき貝、ししゃもなどおいしい魚介類が年間を通して揚がりますが、中でも主力は『秋サケ』。
十勝沖の海域は親潮と黒潮がぶつかり合って合流する、世界でも有数の海産資源に恵まれた漁場として知られており、十勝沖のサケは大型で味がよいのが特徴です。中でも大樹漁協では、脂ののった産卵期手前の銀毛と呼ばれるサケを『樹煌士(きこうし)』という名前でブランド化しています。
樹煌士が獲れる時期は、定置網漁解禁後のわずかな期間。大樹沖で獲れた若いオスで4kg以上のものだけを厳選しているため、1000尾中1・2尾しかいないという希少性です。
大樹町では、特産のチーズとサケを使ったご当地グルメ『チーズサーモン丼』によるまちおこしを、町内の若い人たちが中心となって進めています。
雪印の『さけるチーズ』と大樹産のサケを天ぷらにし、3種類の味で楽しめる天ぷら御膳は、大樹町を訪れる観光客の方にも好評です。
壮大な自然は、そこにいるだけで五感を刺激する
自然に恵まれた大樹町は観光地としては知られていませんが、豊かな自然を感じることができる景勝地が多く存在します。
大樹町の西にある坂下仙境は、切り立った渓谷と透明度の高い歴舟川の源流が織りなす景色を堪能できる場所。砂利道を下っていき山奥に入っていくその場所は、まさに秘境。紅葉の時期もとても綺麗です。
雄大な自然を味わえる晩成
大樹町の東、海側の晩成は日高側とはまったく違う景色が広がります。草は低く空が広く感じられ、夕焼けのドライブは幻想的な雰囲気を楽しめます。
海の目の前にある晩成温泉は、全国的にも珍しいヨード泉。高濃度のヨウ素を含む泉質で、殺菌効果もあると言われています。体の芯から温まり、早朝や夕方に眺める晩成の景色は息をのむほど美しいです。
めずらしい草花が生い茂る原生花園
晩成の周辺は生態系としても貴重な草花が生い茂る場所。ハマナス、エゾカンゾウ、ヒオウギアヤメの他、ガンコウランなどの高山植物も見ることができます。
忙しない観光ではなく、ゆったりと過ぎる時間を豊かな自然とともに味わっていただくスタイルが、大樹町の楽しみ方です。